DYNAKIT PAS-2 真空管プリアンプ修理 2007/2/23
DYNAKIT PAS-2修理依頼がありました。方チャンネルが音が出ないとのことでした。中身を見ますと
ブラックキャットとA&Bらしき抵抗が使われています。
まずは信号を入れて確認します。下の赤い線側が音が出ません。入力すぐのモードセレクタでもう音が出ていません。
抵抗が1本あるだけですが、ロータリースイッチを取り外します。接触不良も無く正常です。次はバランスを取り外し
チェック異常なしです。でも取り付けますとおかしくなります。どこかがリークしているようですが一点一点取り外さないと
わかりません。再度ロータリースイッチとバランスボリュームをチェック、異常ありません。次は音量ボリュームです。
配線を外しチェックしますと入力側とアース間250Ωで原因はここです。予備のボリュームはありませんし修理不能です。
ボリュームの分解を試みましたが壊しそうなので断念。駄目元でアルコールをかけながら洗浄、とりあえず回復しました。
このボリューム、ガリがあるのか接点復活剤がやたらかけてありました。分解するのに手がべちゃべちゃです。
私は接点復活剤が嫌いで使ったことは無いのですが程々に使ってもらいたいものです。古い物なので完全にガリを無くそう
と思うのが無理なことです。売る人も接点復活剤でごまかして、ガリがありませんよ、などと売るのはやめてもらいたい
ものです。
簡単な測定をしてみました
上(緑) 下(赤)
ノイズ 0.1mV 0.15mV
歪み、出力2V 0.07% 0.09%
1Khz 1V 0.11% 0.17%
0.5V 0.21% 0.30%
0.2V 0.50% 0.70%
100hz 1V 0.16% 0.20%
10khz 1V 0.12% 0.17%
ノイズを拾った可能性があります。低いレベルでは特性が悪化しています。
周波数特性 左右とも低域は500Hz位で-1dB、100Hzから10Hzまでずっと-2dBになっています。
高域は-1dBで44Kと80K、-2dBで60Kと100K、-3dBで75Kと120Kとなりました。
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